だんだん、動きが遅くなる。施工計画書が満足にかけなくなってきた。

今、考えてみると、昔から仕事が遅かった。何の仕事かといえば、自分で何かを作る仕事である。19歳まで計画という概念が頭になかった。企画と計画とか言葉は知っていても、計画とは実際どのような作業をするのかわからなかった。大学の建築学科を卒業してもまだ計画、設計というものがよくわからなかった。施工屋に就職して、設計図面から施工図面を書く作業でも人の三倍は時間がかかった。真面目で臆病な性格でもあり、自分で理解できないことは図面にするのにかなりの時間を要した。この傾向は今だ少しも変わっていない。皆を一緒に行動するときは逆で、集団行動をまとめようとし、他人には命令指図ができる。結局、自分には向いていない作業なのかもしれない。 建築設計でエスキースという、フランス語がある。色々な設計条件が提示され、その条件をクリアーした建物の下書きといったところであろうか?この作業に人の三倍は時間がかかった。そのかわりできたものは、条件をほぼ満足する平面図にはなっていたと思う。講師もよくほめてくれていた。しかし、完璧さを求めるあまり人の3倍かかっていた。時間切れである。 となりの机の同級生が、あまりに早くエスキースを仕上げるのが不思議でならなかった。しかし早く仕上げる人達の半分は適当なごまかしの設計図でもあったようだ。講師からも苦言を貰っていたようだ。
さて今、施工計画書なるものを作成するのに、時間がかかってしようがない。年のせいだけではどうもないようだ。従業員のヒデ君は今39歳であるが、作業がもの凄く早い。信じられないスピードである。一体どんな頭の構造をしているのかと思う。いままで合ったどの人間より早いと思う。一体考えているのか?疑いたいぐらいのスピードで仕事をこなす。